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第4話 思わぬ再会②

Penulis: 葉山心愛
last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-29 06:05:19

職場に着き、わたしとジョンは真っ先に店長に挨拶を済ませた。

「君たちが本社からの腕利き社員か。ここの店長の川端(かわばた)です」

「本日からお世話になるジョン・テイラーと申します。こっちが部下の……」

「加藤麻菜です。今日からよろしくお願いします」

ジョンに引き続き、ペコリと頭を下げ店長を見上げた。

店長は30代後半の体格のいい男性だった。

「いやぁ、君たちには色々と期待しているよ。ウチの社員たちをビシバシ教育してほしい」

店長の驚くほどの、わたしたちへの期待。

ジョンへは期待を大いに持っていただいても構わないんだけど、わたしへは……

「店長、申し訳ないのですが。この加藤は向こうで製作担当でしたので、接客業では全くと言っていいほどの素人なんです」

そう……

わたしは実は接客業というものをしたことがなくて。

ここの助っ人として選ばれた理由は、わたしの服に対する思いや、仕事への熱心さを買われただけなんだ。

「そうか……。じゃあ、こっちで加藤の教育係を一人つけるとしよう」

「ありがとうございます。加藤は洋服に対する情熱は人一倍ありますから、役に立てるとは思います」

「そうかそうか。それは加藤にも期待大だなぁ」

いやいや、店長さん。

わたしに期待されてもお役にたてるかどうか……

それにジョンもわたしを持ち上げすぎだし。

「じゃあ、今から顔合わせということで。社員たちに紹介するとしよう」

店長に集められ、開店前の店内にズラリと並んだ社員たち。

この人たちがこれから一緒に仕事をしていく仲間なんだ。

「アメリカ本社から助っ人としてやって来たジョンと加藤だ」

店長から紹介を預かると、パチパチと歓迎の拍手が聞こえてきた。

まずはジョンから、にこやかに王子様スマイルを炸裂させていた。

「本社からやって来たジョン・テイラーです。よろしくお願いします」

あ……やられたな、このスマイルに。

きゃー、と黄色い声を上げている女子社員もいれば、目をハートにして輝かせている者もいる。

本当、罪作りな男なんだから……

「……加藤、挨拶!」

「あっ、えっと……同じく本社から来た加藤麻菜です。よろしくお願いします」

いけない、いけない。

ボーっとしてて自分の挨拶をすっかり忘れてた。

ん……?

なんだかさっきからずっと見られているような気がするんだけど……気のせい?

「あの、わたしの顔に何か付いてます?」

挨拶してからというもの、男性社員の視線が痛くて、すごくケンカ腰に返してしまった。

そんなわたしの態度に驚きを隠せない様子の人たち。

「あはは……すみませんねぇ。加藤は元から気が強くて……」

気まずくなった雰囲気を取り作ろうようにジョンが頭を下げながら言う。

男性社員は苦笑いを浮かべるだけだし、女性社員は部下思いの上司だとますますジョンに熱い視線を送っていた。

そんな中、一人だけ違う雰囲気の女性がいた。

他の女性たちとは違い、ジョンにうっとりした視線を送ることはしない美人社員。

同性のわたしから見ても、振り返ってしまうほどの美しさだった。

「あれ……そういえば、一人足りないような気がするが……」

店長が何かに気付いたように、ボソッと呟いた。

一人足りない……ってことはもしかして遅刻……?

「やっぱり仲森なかもりがいないじゃないか。アイツはまた遅刻か?」

社員の顔を一通り見回した店長は、いないと思われる一人を名指しした。

仲森……?

まさかね。

「店長、またじゃないですか?」

「みたいだな。またアイツは遅刻か。はぁ……」

またってことはその人は遅刻の常習犯!?

それに仲森っていう名前……

わたしの知っている仲森さんと人物像が一致しすぎている。

もしかして、もしかして、と思っているうちに運命の瞬間がやって来た。

「すみません!寝坊しました!!」

この声を聞いた瞬間、心臓がドクンッと大きく跳ねた。

嘘……嘘だ……

誰か嘘だと言って……

「仲森、また寝坊か?お前は社会人としての自覚が足りないんじゃないのか?しかもお前は副店長なんだ」

「すみません」

お願い……こっちを振り向かないで……

これは夢だと言ってほしい……夢なら早く覚めて……

「はぁ……全くお前ってヤツは。もうこの二人の紹介も済ませてしまったじゃないか」

「アメリカから来たっていう助っ人二人ですよね?本当すみませ……え?」

終わった……

遅刻していた男性がこちらを向いてしまい、視線が絡み合う。

ねぇ、神様。

これは許されないことをしてしまったわたしに対する意地悪ですか……?

「麻菜……」

「秀ちゃん……」

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